環境の構築
いよいよ場所を決めて台を設置したら、まずは水槽をよく水で洗う。洗わないと離型剤を水槽に入れることになる。
ただし洗剤は使わない。万が一洗剤を残すようなことがあっては後から入れる生体に悪影響が出る。
30度程度のぬるま湯で洗うこと。スポンジも抗菌加工されていないものを使う。
再び設置が終わったら、まずろ過装置を入れる、通常の底面式では先にパネルを入れておく。さもないと設置不能になる。
その上からよく洗った砂利を敷く。
このとき、パネルを固定しておくために適当な重石を入れておくとよい。
作例ではすぐ隣に「出来上がった水」の入った水槽がある。そこで今回は発明品の水平排水器を使って水を半分移した。
そこへ新しい水を継ぎ足す。このときに塩素中和剤や粘膜保護剤を入れておく。
また今回は、シャワーの出口を「整流」にして、水流を弱めた。このほか、皿を敷いたりビーカーの中にホースを突っ込むなどすれば砂利をかき回さず注水できる。
海水魚や汽水魚を飼う場合はこの時点で人工海水を必要な濃度になる分だけ入れておく。
注水が終わったら、ろ過装置を回す。この時点では、砂利を以前使っていたものを使いまわしているので、有益なバクテリアなどで濁る、当たり前だ。
ここで濾過というものについて、基本的なことを覚えておいてもらいたい。
そうでなくては、この先に進みようがないからだ。
さて、バクテリアなどで濁っていて当たり前な匂いがぷんぷんするので先に濾過の概念を紹介しておく。
ろ過というものには
・綿などの目の細かいもので単純に水中を漂うゴミを引っ掛ける「物理濾過」
・微生物によって有害物質を分解する「生物濾過」
・活性炭やゼオライトによってアンモニアなどの有害物質を吸着する「吸着濾過」
これらの三つに分けられる。このうちもっとも重要なのは生物濾過で細菌を使ったものだ。重要なのは、アンモニア・亜硝酸・硝酸塩の濃度をいかに低く保つかということで、飼育に当たって透明度はそれほど重要ではない。
松平定信田沼意次政権から松平定信政権に移行するときに賄賂の横行した田沼政権の時代を嫌って
「田や沼の 汚れた御世を 改めて 清らかにする白河の水」
という狂歌があったが清廉潔白すぎた松平定信の「引き締め政治」を嫌って後にこんな狂歌が作られた。
「白河の 清き流れに 魚棲めず 濁れるもとの 田沼恋しき」
人にも魚にも綺麗過ぎる環境は良くないのだ。
なんと、狂歌を使って濾過細菌の大切さを教化してしまうとはなんと酔狂か!!
相手はヒトと種類が違う上に水の中という全く違う世界の生き物、違う生き物の生活環境を人間の尺で計るなど言語道断だ。
酒蔵の主人が「麹は黴菌だから俺の酒には使わない」とかいい出したら酒を醸すことはできなくなる。
パン屋で言ったら、イースト菌を黴菌呼ばわりして生地に混ぜ込まないようなものだ。
これではナンかタルトしか焼けない。いや、ナンですら乳酸菌を使うわけだ。
魚類を飼育する以前にこういった細菌を飼育しているということを忘れないでもらいたい。濾過細菌を上手く扱えない人はほぼ間違いなく魚類をまともに飼育できない。
生物濾過で使う濾過材にはとにかくバクテリアをいかに早く多く住まわせるかが重要だ。よってできるだけ表面積の大きいものを使う。
普通生物濾過には砂利・セラミックを発泡させて「ちくわ」のような形に加工したリング濾過材・スポンジなどを使う。
また、最近ではソイルという土を固めた砂利のようなものを使う。水草を育てるには効果は非常に高いが、薬品の投与することを考えたら安易に使うべきではない。海水魚で起こる問題だが、白点病の治療に硫酸銅を使う、このときにサンゴ砂があるとサンゴ砂は多孔質であるから硫酸銅が残留してしまい何年もの間無脊椎動物を飼育できなくなるなどの問題がある。
ましてや粘土に近いような土ならそういった薬品の残留を考えたらとても勧められるような代物ではない。
また、所詮は土なので崩れてくる。これでは床材を毎年のように変えるため維持費が嵩む。
魚類の飼育を前提とするなら使わないほうが良い。
また、生物濾過をするときは、実はつるつるしたプラスチックでも機能することは機能する。ただし立ち上げに恐ろしく時間がかかるので、推奨はしないが例くらいは挙げておく。
たとえばストローをよく洗って、5mmくらいに切っておく。これを濾過槽に詰め込んで水を回しておくと、次第にバクテリアによって膜が作られて、半年もすれば濾過材として充分機能するようになる。
これを利用したのがドライフィルターで、多くの溝が付いたプラスチック製のボールを濾過材に使う、これをドライボールと呼ぶ。
ドライボールをアクリルなどで作った1mから2mほどの背の高い筒に収めて飼育水を上からシャワーのように落とすことで強力な曝気効果によって効率よく生物濾過ができる。水が淀まないので病気が出にくく、メンテナンスもほぼ不要なのだが、あまりに設置スペースを食うことや高価なことからあまり使用されない。これもまともに機能させようとしたら半年は待たなければならない。
ここで見られるような膜は他のフィルターでも作られるもので、うまく維持して、濾過槽をかき混ぜないように維持してやれば作れる。ここでは、白点病の原因となる原生動物なども引っかかるので、環境として非常に安定する。こういった環境が作れれば文句なしだ。
物理濾過やは補助的に使うもので、生物濾過だけでは分解の果てに残ったヘドロが舞うことがある。これを濾してして生物濾過の補助をしたり、大きな糞を引っ掛けておいて生物濾過の効率を上げる程度のものだ。
これには普通目の粗い化繊の綿を使い、時にステンレスやチタン合金の網を使うこともある。
吸着濾過は何かの拍子に急激にアンモニア濃度が上がってしまっただとか、水が黄ばんだので透明にしたいとか、そういったときに使い捨てする臨時の濾材だ。ゼオライト・活性炭がよく使われる。麦飯石という吸着性のある石やその粉を溶かした水を使うこともある。
さて、濾過についての基本的なことはこれである程度理解できたと思うので、水槽の設置に戻る。
保温が必要な生き物の場合は水槽に水を張り、濾過装置の運転を始めた段階で
水温を調整しておく。
作例の水槽は温室で管理しているためヒーターを設置しなかった。ヒーターを使うときは必ず横向きにして、砂利に埋めないで使う。
砂利に埋めると熱効率が下がる。この写真のように縦につけると、水が蒸発したのに万が一気づかなかったときに空焚きしてしまい非常に危険だからだ。
水草を植えるならこの段階でもかまわない。
初めて設置する水槽では一日ではなかなかここまで澄まない。これがバクテリアがあるかないかの違いだ。
必要とあれば照明器具をつける。照明を強化すると上の写真のように違いが出てくる。
照明は基本的にはつけるべきで、時間は一日8から10時間。
これを超えると、コケが生えやすくなるだけなので、お話しにならない。
照明を点灯しておくのには、魚に昼夜の差をはっきりとつけるためである。
自然に光が差し込むのであれば、あまり問題はないが、
一日中薄暗くては、いずれ色落ちしたりと何がしかの弊害が出てくる。
また、当たり前だが、濾過装置は特別な理由がない限り24時間運転だ。
途中で止めたりすると、バクテリアが酸欠になり、せっかくアンモニアを亜硝酸塩から硝酸塩にまで変換したのに、還元してまた亜硝酸になってしまう。
ここまでは水槽で魚類を飼うなら共通である。
淡水編
ここで挙げる3つの水の中でもっとも安定しやすく扱いやすい。
先に設置方法を書いたのであまり書くことがなくなってしまった。
さて、濾過装置をセットしてバクテリアの自然発生を待つとき以外は必ず注入する水には塩素中和剤を入れる。
入れておかないと積極的にバクテリアを殺すことになる。
バクテリアを入れておかないと水がなかなか完成しない。
これは1日で水がやたら清んだ事例を見てもらえばすぐに納得が行くだろう。
自然発生を待っていては、最低一週間はかかり、それでも少数づつしか魚を足していけない。
数日待てば飼えるなんていうのは、まとまった数を飼おうと思ったら信用してはいけない。
特に金魚では160リットルの容量の水槽ですら体長5cm程度の朱文金を十数匹入れただけでも水を作り始めて数日くらいだと、アンモニア中毒を起こして平気でバタバタと死んでいく。ましてや一般的な60リットルの水槽ではどんなに水を入れても56リットルにしかならない。これでは簡単にアンモニア中毒を起こすのは目に見えている。ちなみにこのとき測ってみたら6mg/リットル以上もあった。弱い魚なら下手すれば即死しかねない濃さだ。
すでに作ろうとする種類の水が出来上がっているなら、その水槽のろ過剤を新しく水を張った水槽で洗う。これで一気にバクテリアを移植できる。
そうでなければ、出来上がっている水槽のろ過材を買ってくる。
濾過装置は汚れ始めてからが本領発揮というわけだ。ちょっと茶色くなったから交換する・・・などと頻繁に濾過材を交換したり、洗っていてはできる水もできやしない。
バナナは茶色くなると売り物にならないが、茶色くなってからでないと食えたものでないようなものだ。
ほら、ちょうど濾材も茶色くなったころが使いどきだし。
これは、濾過装置の一つを洗ったときの水。これだけ汚れてくれてれば、このとぎ汁を新しい水槽に流し込んでしまえばいい。
また、右側の写真は上部式濾過装置のマットである。これをすすいだ水や、このマットそのものもを流用するのもいい。
このように生きている濾材をすぐに用意できるようにするために水の種類ごとに特定の水槽だけ砂利を多めに入れてあります。
ほかにも、バクテリアの濃縮液をパックしたものが売っているが「ミドリフグ飼育セット」と称して人工海水を同梱しているのに、同梱されているバクテリアは淡水用という極めて間抜けな商品も存在する。
正直パックされたバクテリアなど小学生のときに使っていたくらいでまず使うことなど無い。
というわけで注文以外では店に置きません。
水が完成するまでは、ろ過装置を稼動するのとは別にエアーレーションして酸素をより多く溶け込ませる。
溶存酸素濃度が高いことでアンモニア等汚れを分解するバクテリアが繁殖しやすくなる。
ガンジス川の水が極めて早く有害物質を分解してしまうのも溶存酸素量の高さによるもの。ここでは通常の河川の約25倍の速さで老廃物の分解が進む。
巡礼者が沐浴のために下水が流れ込む近くに入り、そこの水を飲んで中毒を起こさないのは何もその環境に慣れているからだけではなく、水が信じられない速さで浄化するからだ。
バクテリアを移植すれば少数なら当日からでもギリギリ魚類の飼育が可能な水が出来上がる。
モルミルスのように例外的に餌切れに弱い生き物を除いて、餌は翌々日以降ごく少量ずつ与え、必要最低限以上水を汚さないようにする。
立ち上げたばかりのときは一ヶ月程度はよほどの水質の急変でもない限り水を替えない。十分にバクテリアが発生・定着して、濾過槽が「十分汚れてきて」からはじめて弄る。
綺麗過ぎるウールマットなど、糞濾しにしかならず、濾過槽で邪魔になるだけだ。
また、立ち上げたとき数日は水が白濁することがある。
これは大抵バクテリアが一気に繁殖して定着せずに水中に漂うことで濁るのでこれは放っておく。
ある程度濾材に汚れが付いてくれないと澄まない。
そのうちに水は澄んでくるが、ここで下手に手を出すとろくなことにならない。
砂利の洗い方が足りなかったときは泥が舞うことで濁る。数日で汚れが引かないときは、水を替えてしまう。
めったに無いが水を換えても濁りが落ち着かなければアクリルCという薬品を投与する。これは水中を漂う泥などの粒子を粒子同士をくっつけて大きな粒子にして濾過槽に引っかかりやすくするもの。ただし淡水でしか使えない。
通常の管理は、早くて毎週。遅くて数ヶ月に一度水を替える。
このときに同時に濾過槽を洗うとバクテリアが全滅する。
そこで水換えと濾過槽の掃除を別の日にずらすか、バクテリアを殺さず掃除する策を使う。
それには作例で使っている底面フィルターがぴったりというわけだ。
換水ホースを使い、濾過槽のヘドロをとりつつ水を替えてしまう。しかもこの「掃除」に関しては水槽内の水を使うだけで完結するから、バクテリアにほとんど被害は無い。
後は水温をあわせた水を注水するだけ。このときに必ず塩素中和剤を入れる。
実のところ、塩素の性質上ある程度細菌などがあったり、微粒子の溶けた水に塩素が溶け込んでもその細菌などの浮遊物にくっついて無害化してしまう。
こういうわけで、実は塩素臭い水というのは実は綺麗な証になるのだ。
そんなわけで、水替えで三分の一ももとの水が残っていれば、水道から直にホースを突っ込んでも魚自体にはたいてい問題ない。ではなぜ塩素を中和するのかというと、バクテリアを守るためだ。
また、よほど何か厄介な病原菌を拾ってきて蔓延させたので丸ごと水槽全部を洗うというわけでもなければ、水槽を丸ごと洗うなど愚策も愚策。
バクテリアが復活するまでどうするの?
ちなみに、もし病気の蔓延などで丸洗いして消毒するときは沃素の使用を薦める。イソジン五倍ぐらいに希釈した溶液を霧吹きでかけて乾かす。
乾くときに沃素により殺菌作用は強くなるので、湿っていてはかけても意味があまり無い。
終わったら、塩素中和剤をかけてよく洗い流す。
塩素中和剤はチオ硫酸ナトリウムでできていて、これは塩素だけでなく、青酸カリやヨウ化カリウムも中和する。
初期のコナンの話にこんなものがある。
ネタバレになるが、90年代の単行本なので時効ということで。
金を数えるときに親指をなめる癖のある社長を殺すために、青酸カリを仕掛けた。遺体発見後に犯人が現れてガス焜炉のつまみに仕掛けた青酸カリを、チオ硫酸ナトリウムをしみこませたハンカチでふき取った。こうして証拠隠滅を図るものの、そのハンカチをまだ犯人はもっていた。そこへコナンの指示でヨードチンキをかけられて、染みないということで証拠品が出てきてしまい、言い逃れができなくなり自供して事件は解決する。
というものだ。
・青水
熱帯魚の用語ではグリーンウォーターという。
強い日光を浴びて藻類が繁殖した水だが、この青水の利用価値は大きい。
まず、植物プランクトンが大量にいるので老廃物を肥料にしてくれるので基本的には水をあまり替えなくてすむ。
植物プランクトンが豊富ということは動物プランクトンもいるので、小型魚の繁殖のときなどには青水があるかないかがものを言う。インフゾリアを沸かすときのベースに使ったりする。
植物プランクトンの宝庫なので、赤色の薄くなった金魚はここへ入れておけばたいてい色を取り戻す。
丹頂などを入れたら、長くおきすぎると白い部分が少し黄色くなるくらいに色が変わる。
また、屋外飼育の越冬も青水があればかなり楽になる。
粘土が若干あがるので水温の変化が少ないためだ。
メンテナンスは、時折目の細かい網でたまった老廃物を取り除き、蒸発した水を継ぎ足す程度。
こんなに便利な青水も二つ欠点がある。
ひとつは夏に光合成が過剰になると、酸素の気泡が魚の鰭の中にたまりガス病と呼ばれる症状を出し、ひれが腐る。
これはエアーレーションを強くして余分な酸素を放出させればそのうち直る。
もうひとつは冬の間に青水が濃くなりすぎると、コスティア症に感染する。特にどうなるということは無いが、感染箇所が黒くなってしまう。
これは青水が濃くなりすぎることを防げば解決する。つまり冬でも少しは水を換えてやればいい。
汽水・海水編
汽とは蒸し器から沸きあがった水蒸気が冷めて滴り落ちる水を表す文字で「水気を帯びる」という意味である。水気を帯びた水とはなんぞや?となるが、海水に比べて水気を帯びているという意味である。
さて、文字の意味からも汽水というのは基本的には薄い海水ということになり、その管理方法はどちらかというと海水に準じる。
そこで汽水・海水という括りにした。
海水魚の水槽のセット手順など基本的なことは、淡水と変わらない。しかしバクテリアが充分に繁殖するまでが非常に遅いのが厄介だ。
「海水魚を飼い始めて一週間程度で水が安定してるのにやたら死にます」それ、安定してませんから。
海水や汽水では、淡水以上に強力な生物濾過が求められる。
よって飼育密度も、淡水よりぐっと低く抑えたほうが良い。
汽水は淡水に比べればはるかに安定が遅いが、海水に比べればはるかに早い。しかし極端に薄い汽水でもなければ、海水のバクテリアを流用できる。
既に海水を立ち上げて汽水を作るのもその逆も、手持ちの水槽からバクテリアを流用してしまえばよい。ものは考えようだ。
海水や汽水ではpHが高いので淡水に比べて魚が出した尿が有害化するのが早い上にバクテリアがなかなか増えない。
自然発生を待っていたら半年以上平気でかかる。
そこで出来上がったろ過材を移すことがほぼ必須となる。
これでも一ヶ月近くはかかってしまう。
そこで、わざと水を汚してやる。
一番簡単なのはフライやから揚げにするようなアジとかそのくらいの大きさの小魚を一匹放り込んでおく。アジやイワシのような海水魚を使う場合は余計な雑菌を入れてしまわないように必ず冷凍してから入れる。
この死骸がアンモニアなどを作り出して、アンモニアを餌に亜硝酸を生成する細菌、亜硝酸を餌に硝酸塩を生成にする細菌を増やす基にする。
さっさと何か生き物を入れたいなら、小魚の死骸をいれずに海水対応させたモーリーの仲間でも入れてしまうのが手っ取り早い。油膜や藻類も食べてくれる。
海水というのは場合によっては純水で作る。そうでなくても一度純水のように水道水中に含まれる「余計なもの」に膜を張り、純水のような状態にしてより海水に近い人工海水を作るためにマスキング剤を使う。
1から立ち上げる場合本当に無から細菌を増やしていかなければならないので、出来上がった水槽からのバクテリアの移植を強く勧める。
また、立ち上げの間は汽水も海水も濃度を薄くする。
こうすることで、早く立ち上がる。
汽水なら海水の三分の一程度の濃度で始めて、いざ魚を入れるときに必要な濃度に調整する。
海水では1,016ppm程度で立ち上げ、魚を入れるころに1,023ppm程度に上げる。
このように手を尽くしても安定してくるまでには数ヶ月はかかってしまう。
なお、汽水魚はたいてい幼魚のころは薄い塩分濃度、大きくなったら濃くするというのが定石。薄くても四分の一海水程度の塩分濃度はほしい。
種類によっては海水にまでするものもいる。
特にアカメはこの塩分濃度の調整が面倒で、これを誤ると突然死することもある。
海水魚は輸送直後などは少し薄めの1,020ppm程度にして浸透圧による負担を減らして養生させ、これが済んだら1,023~1.025ppm程度まで上げる。
通常の管理は淡水に準じる。ただし塩ダレによって塩分が水槽の外に出てしまい、真水を足すだけでは塩分濃度がどんどん下がるので時々比重をチェックする。
魚類だけで飼うときは白点病の治療などに銅イオンを使うが、無脊椎動物を一緒に飼う場合は使えないので要注意。
特殊な海水
海水版青水
これを作るのは意外と難しい。これ単体では完全な脱窒ができるわけでもないし、夏場は高水温が悩みの種。淡水の青水ほど使えるものでもないが、海水魚の繁殖を考えたときにはこれでクロレラを作り、このクロレラを餌にワムシを作る。
グッピー・ブラックモーリーなど一部の卵胎生メダカはこの水で繁殖させると恐ろしい勢いで増える。
なお、モナコ式と、屋外飼育については別頁で。